確かなメロディー(弐)
□第四十八話 表裏一体
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青葉と別れた後――
『……――っ、やっぱり……さすがにやりすぎだったかなー……』
人通りの全く無い細道を歩きながら、“桜”は軽く頭を押さえていた。
先程、小さな頭痛のようなものが走ったからだ。
でも彼女には、それがなぜかを知っていた。
それもそのはず、
その頭痛が起きる原因が自分だから
『思念は潔く人に従え……か。まぁ、それが当然なんだから仕方ないんだろうけどさ……』
“私”だって……
“私”だって、好きでやってるんじゃないんだから……
まぁ……仕方ない、か
所詮私は…
人間の思念の塊に過ぎないんだから……
“桜”は皮肉気味に苦笑しつつも、自分の運命(定め)を受け入れていた。
『さて…そろそろ限界、かな。彼女もそろそろ我慢できないだろうし』
……桜、
辛いかもしれないけど、これだけはわかっていて
私は、あなたを助けたいだけだから……
“自分”の奥底で足掻く彼女に言うように呟く“桜”
少し後ろを振り向き、今一度笑みを浮かべたかと思うと、
“彼女”は目を閉じ、彼女の心の奥へと消えていった。
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