捧&戴&コラボ

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そんな目で見ないで、胸がズキリと痛むから

そんな酷いこと言わないで、奴が俺からこぼれ落ちるから

どうして俺は嫌われてしまったんだろう

俺はこんなにもゾロが








『サアーンジーイー!!』


バンと勢いよく扉が開く音と俺を呼ぶルフィの大声に飛び起きる

その瞬間今が朝なのか夜なのかも理解していなかったがとりあえず体がまずい!と反応した


『サンジ寝てたのか?もう街に着いたから早く朝飯にしてくれよ!』

『あ、あぁ…』


やっと意識がしっかりし始めて、昨日の醜態を思い出し頭をかかえる

後でウソップに謝んなきゃな、とぼんやり考えながら簡単な朝飯をテーブルに並べてみんなに食べてもらった


街での滞在期間は5日間、食料調達のために今日明日は船番を外してもらうことができた

だが今回の調達は少量でいいから1日あれば十分だが、久しぶりの街だし、2日目はゆっくりしてよというナミさんのご好意にNOとは言えず、お言葉に甘えさせていただくことにする




『ウソップ、昨日悪かったな』

船番のロビンちゃんとチョッパーを残してみんなが船を後にする中、ウソップを捕まえて呟くと奴は困ったように笑っていた

『せっかく休みもらったんだからゆっくりしろよ、ナンパするんだって言ってたぞ』

『ナンパねぇ…』


ま、それも程々になと肩を叩き街へと消えていくウソップを見つめて俺もぼちぼちと歩きはじめる

タバコをくわえて火を付けて、肺いっぱいに吸い込んで吹き出した

街は食材も調味料も豊富で質も良い

まだまだ余裕はあるけれど、ルフィが喜ぶだろうなと、少し肉も買い足した

店のマダムに今まで知らなかった料理を聞いて、レシピを教えてもらって、十分充実したショッピングを終え船に荷物を置きに戻る

チョッパーとロビンちゃんに船番は代わるから買い物に行って来たらどうだと聞いてみたが、今日はサンジが街でゆっくりする日だからと断られてしまった

 

そう言ってもらえるなら…と荷物を置いてまた街に出たはいいが、買い物も終わってしまったし店も十分に見ることができた

何もやることがない今、こんなところをブラブラしていてもつまらない

せっかくのご好意だけど、やっぱり船に戻ろうか

新しい食材や調味料で料理を作っている方がよっぽど楽しい



『…あ、ちげえ…俺ナンパすんだった』

ふと今朝のウソップの言葉を思い出す


すっかり忘れていた、せっかくの街なのに、可愛いレディがたくさんいるのに、まったく俺らしくねえ


見つめていたレンガの床から視線を前に移すだけで、たくさんの街を行く可愛いレディが目に入る

いつもならすぐにでも声をかけるのに、たくさんたくさん言葉が出てくるのに、女の子を見るだけですごくウキウキするのに

どうして…店のガラスに映る俺は、こんな泣きそうな顔をしているんだ


『…やめよう』

小さく呟いたことばは俺にすら聞き取れないほど弱々しく消えてしまった

こんな顔でナンパなんてできない、こんな気持ちでなんて女の子に失礼だ

せっかくの街なのに、あ〜ああいつのせいだ、…いや違うあいつは関係ないあいつのせいで俺はこんな顔してるなんて絶対ないありえない

 
誰にも気付かれるはずのない心の中でまで意地を張る、なんかすげー切ない

そのままふらふらと歩き出した足は船に向かいはしない

こんな顔でロビンちゃんやチョッパーに会えない、会いたくない

じゃあどうしようかと深いため息を漏らしてタバコを一本、白い煙りを身体中に吸い込んだ



続く
 
 

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