捧&戴&コラボ

□はなこ様&やんや
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〜Uside〜




『ね…ねえ、ロロノア君』


友達二人に背中を押され、真っ赤な顔をした女の子が意を決してゾロに声をかける

あー知ってるこの子、ずっとゾロのこと見てる子だ

きっと気があるんじゃないかなーとは思ってたけど、これでほぼ確定


ゾロはというと、いつものあの怖い顔(それで普通なんだよなあ)で、しかしどこかきょとん顔で話しかけてきた女の子を見つめていた


『今度の日曜日っ、一緒に映画観に行かない?』

『…映画?』


なーにが映画?…かっ!!

寝耳に水か!


本気で何で俺?みたいな顔しやがって、鈍いにも程がある


どうかな?って緊張して返事を待つ彼女

はん、かわいーじゃないのよ、うらやましーじゃないのよ男前よぉ

だからこそ興味なさげに頭かいてるこいつが心底腹立たしい



『悪いな、やめておく』

『あ…そう…』


あーあ、しょんぼりしちゃった


ま、しゃーねえわな、相手がゾロじゃあ…


なんかそーゆー色事ぜーんぜん興味ないみたいだし、こないだ合コン誘われた時も被せるくらいの勢いで断ってたしな

ましてや全く話したことない女の子好きになったりするタイプじゃなさげだもん

いきなりデート誘って来てくれるよーな奴じゃないよなあ


やれやれ…と他人事ながらため息をつく

もう少し女の子の気持ちを考えてあげてもよかろうに

いや、だがその気もないくせに思わせぶりな態度をとるチャラ男よりもよっぽど誠実で信用できる奴なのだが…



 

『…あ、そういえばお前さ』

『えっ…な、何?』


へ?

あまりにも突然に、何かを思い出したかのようにゾロに話しをフラれ女の子もドキリと分かりやすく反応する

俺もゾロから話しかけるなんて何事だと、少し離れたこの場から聞き耳をたてた



『あの…、ケーキ食い放題の店って知ってるか?』

『え…うん、この近くじゃ駅前にお店があるけど…』



ぶはっ!ケーキ!ケーキ食い放題の店!ゾロの口から出たとは思えないセリフ!

本人も自覚はしているようで頬を赤らめバツの悪そうな顔をしている


『あー、なんだ…連れてかねーとうるせーからよ…、悪いな』

『あ…うん…』


あーららーらら、ゾロさんゾロさん…あなたの知らないところで女の子逃がしてますよ


ありがとな、なーんてお礼を言いながら去っていくゾロを見つめて、女の子はがっくしと肩を落としていた


『なんだ、もう彼女いたんだねー』

『そりゃそうか…あんないい男…』


お友達たちに慰められながら失恋中の彼女は涙目でゾロの後ろ姿を見つめていた


いやいや君達、そいつは勘違いだぜ



きゃつに愛する彼女などいないはずだ…

そんな話聞いたことない(もしいたとしたら俺はしばらく枕を濡らす)


あいつにいるのは精々愛しいにゃんこ


いつも文句ばかり言うくせに何かと甘やかしてしまう滅法弱いにゃんこがいるくらいだ






 
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