10/09の日記

12:24
タイトルなし
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若干(?)死ネタです

少女と狼男(多分)
……………

『ねぇ?!真ん丸お月様はいつ??まだなの?』


私はいつも母に尋ねた。

「##NAME1##は月が好きなのね」

母は幸せそうに笑って流すのです。



5才の秋だったかしら。

満月の夜。

私の部屋に背の高いお兄さんが立っていた。

音もなく。
さっきまで居なかったのに。

彼の後ろには閉め忘れたままのカーテンと、大きなお月様がいた。

まあステキ!魔法がかかったんだわ。夢みたい!

私はお兄さんの周りを駆け回り、彼は困ったように笑っていた。


それからずっと満月の夜にはお兄さんがやってきた。

名前は「##NAME2##」

私が中学3年の頃

「2階の部屋に入るのは中々大変だ」
と苦笑した

お兄さんは魔法使いじゃないのかも

それからは満月の日は窓のカギを開けておいた。

相変わらず##NAME2##は涼しい顔で、音もなく私の前に姿を見せた。

………

ベッドに腰掛けて目を閉じた。


『はぁ…』

「ため息?」

目を開けば、また、音もなく。彼がいた。

そうだ。今日は満月だったわ。

もうお兄さんとは思わない。見た目は私と同い年くらい。追い抜いたかもしれないわ。


『私…もう疲れたわ』

「…うん?」

『もう大人になってしまったのよ』


魔法なんかじゃない


『これは…呪いよ』



『――――?!』

呟いた途端。

身体の中を風が吹き抜けた。


ベッドに倒れた私の上に##NAME2##が乗っていた。
彼の表情は、彼が纏う空気は、私が知っている##NAME2##のものじゃなかった。


「本当に、、そう思う?」


『…ええ』


「それなら俺は##NAME1##を**なきゃいけない」


俺は呪いそのものだ。

でも、君が、##NAME1##が幸福を感じてしまった。

だからな、俺は幸せな魔法になってしまった。


そして気付いたんだ


俺は幸や不幸をもたらす存在ではなかった。


最初から俺は俺でしか無かった。


##NAME1##が感じるものが全て。


君にとって呪いなら俺はそう振る舞うことしかできない。



『……##NAME1##は、狼だったのね』


「そうだな」

『それは、義務なの?』

『私が思う##NAME1##でいなきゃいけないの?』

「俺は最後までそうありたい」


『私は##NAME1##を何一つ知らないわ』


「うん。俺が呪いなら」


返事は無かった。

君の母の嘆く顔が脳裏を霞めた。



次はどうかしあわせに。


………

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