めいん

□本当は好きなんだ
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ソファーに座った俺とソファーの後ろで俺の真後ろに居る因幡さん。

「ねぇ、因幡さん?」

「ん?何だ圭?」

「…そろそろ離してくれませんかね…?」

苦笑いで問い掛ける。

この状態でかれこれ20分。
今日は依頼が来ないから俺の髪をあむあむするって因幡さんが頭にかぶりついて離さない。

ちょっとくらいならいいかなって思ってたけど…
20分は長すぎじゃない?

買い物にいった優太君を恨めしく思う。

「因幡さん、そろそろ…ね?」

「えー、あと5分」

「…」

「圭、だめ…?」

俺の肩ごしに顔を覗きこんでくる因幡さん。
ちょっと上目使いな感じで、淡いピンクの頬で。

因幡さん、その顔は反則だよ。

「あと5分ですよ!
もう絶対延長しませんからね」

「やった!さすが、圭!ありがとー」

満面の笑みを俺に向けてから再びあむあむを再開する。

全く。可愛いんだから。

「俺も髪触らせた分のお礼欲しいですー」

冗談混じりのため息をついてみる。

因幡さんの動きが一瞬止まり
今度は上から俺の顔を覗きこむ。

「何が欲しいんだー?」


「さぁー?当ててみて下さい」

因幡さんは口を尖んがらせて考えるそぶりを見せた。

「んー、圭の欲しいものはー…猫?」

「ははっ、それもいいですね!だけどルナで充分です。
俺が欲しいのはね…」

上から俺を覗きこむ因幡さんの耳を両手で塞ぐ。

「?」

『因幡さんだよ』

耳を塞いだままだったから因幡さんには聞こえなかったみたいで小さく首を傾げた。

「何?」

耳に添えた手を離して、くいっと因幡さんの顔を俺に近づけて耳元で囁いた。

「因幡さんが欲しいな」

「なっ!圭っ」

驚くように目を見開いてから頬が更に赤くなるのにそう時間は掛からなかった。

「因幡さんかわいい」

「可愛くない!変な冗談言うなよっ!」

「冗談じゃないよ」

「だ、でも、だけど!」

「20分の報酬は支払ってもらうよ?」

ケラリと笑う俺と

溶けちゃいそうな顔の洋。

時計の音がやけに響いていた。


END
あとがき
短い&無理矢理な終わらせ方すいません。
この先はご想像(ご妄想)にお任せします.

観覧ありがとうございましたm(_ _)m

りか
 

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