めいん

□使えない助手はイイやつ(?)だ
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探偵事務所、入口前。
「洋、居るか?」

ドア越しに声をかけるとガチャリと扉が開いた。

「お、おお〜、荻じゃねーか…さ、中、は、どうぞ」

アハハとひきつった笑みを浮かべる洋。

何かあったのか?

とりあえず家の中に入りソファーに座る。

テーブルには飲みかけのスープ。

「洋、このスープ、お前が作ったのか?」

洋は何故か言葉に詰まっていた。

多分、洋が作ったんだろう。

味見、味見♪

俺はスープ皿を持ち上げて一口飲んでみた。

「うまいけど少し苦いな…」

俺は感想を漏らしながら全て飲み干した。

「あ、荻!飲むな!」

「いいだろ、また作れば」

「違う、それ作ったの俺じゃない!
優太か圭だ」

なんだ。
作ったの洋じゃないのか。


洋の言葉でここに来る前の事を思い出した。

「さっき助手に会った。無視されたがな」

洋は一瞬硬直してからまた先程と同じ、ひきつった笑みを浮かべた。

「どうしたんだろうな、圭」

「洋もわからないのか?」

「…ああ。
それよりどうした?用事があって来たんだろ」

そうだった。
忘れてた。

「それがカバンに入れてたはずの薬が無くてな。一錠でも飲むと大量に酒を飲んだ状態になる恐ろしい薬だ。
ここに落としてきたのかと思ったんだが…」

「見てないぞ。探すか」

「…処分する予定だったから人が飲まなきゃ大丈夫だ、見つけたら捨ててくれ」

「わかった。
せっかくだし、ゆっくりして行かない?今コーヒー作るから」

洋が台所に立つ。

俺は洋の言葉に甘えてもう少しだけ居ることにした。
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