地 サクリアの喪失
□地 Believe
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パァッ!と、あたりが光に満ちた。信じられない力を感じる。
「・・・女王のサクリア?・・・・光、闇、炎、水、夢、緑、風・・・地・・・・・。」
宇宙の神秘を司るサクリアが、今、ここに集結している。
「っ!・・・・・俺の、鋼のサクリアもっ!!」
『ルヴァ!!』
聖地では、女王と、8人の守護聖が、眼を閉じ、手を組み、祈った。
鋼のサクリアが加わり、10のサクリアの力が、一つになる。光がルヴァを包みこんだ。やがて、光が収まる。すると、
「ルヴァ・・・・!?」
ルヴァの体からとうに枯れたはずの地のサクリアが出て、聖地に向かって飛んだように消えた。
聖地から、きっと新たな惑星に行き、転生するのだ。地のサクリアの素質を持つ魂として転生し、いつか、サクリアが芽生える日に、新たな地の守護聖として召喚されるのだろう。
きっと、これから守護聖は、それぞれの任務を全うし、聖地を去り、死を迎えるだろう。でも、いつか、また、きっとこのメンバーで、聖地で再会できる気がした。
魂は廻り、深く刻まれた記憶は消えない。深い絆は、運命に手繰り寄せられ、再び会える。
名前や、姿形が変わろうと、魂の記憶は永遠に。
ルヴァの体を抱いて、遥か空を見上げて、ゼフェルは、いつかの再会を想った。柔らかな風が、銀の髪をなびかせ、森の木々が揺れる。
『また、会えますよ。』
そういって笑うルヴァの声が聞こえた気がした。
「あぁ。会える。約束だかんな。」
遥か空の方を見つめ、声に出して反芻する。
アンジェリークも、ロザリアも、ジュリアスも、クラヴィスも、オスカーも、オリヴィエも、リュミエールも、ランディも、マルセルも、トシも、ゼフェルも・・・・ルヴァも。
いつの日かの再会を信じて。 END