番外編

□こぼれ話
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『MOON〜君と同じ月を見続ける〜』

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どんなに放っても伸びない髪
ラプンツェルのように編んで
誰かを招くこともできない。

―――逃げ出したいのはここじゃない。
ここには自らいる。

逃げ出したいのは
いつ終わりが来るのか分からないこの運命(ノロイ)

この先に光はあるのか
ただ暗く続くのか―――




幸せにしたい姫がいる。
けれど彼女はやんわりと
あなたは違うと拒絶する。

心に闇を宿しながら
眩しい光を待っている
闇を払う風を待っている



 *

「アールがいなくなったら『誰を”綺麗”だと言えばいいんだ!』」
「うん、いつも通りその辺の図註とかに言ってあげればいいんじゃないかなー?」
にこにこと本を指す。
「レベルが違うって…しくしく」


どうして?問いは止まない。
けれども答えは変わらない。

直感、天啓、先見
答えの由来を何と呼ぼうとも。

ここにいるだけでは何も変わらないと。
安定。安息。
それは必要だけれど
変化そのものには成り得ない

その、意味することに目をふさいで
アルファを送り出した。





一人、館で空を見上げる。
暗い影と化した塔に、姫君はもういない。
灯す役目も今はない。



塔にかかる細い細い月。
満天の星の中。
か細く それでも『ここにいる』と主張する。

僕はここにいる
君を見下ろす月の下に、僕も。


君がしあわせになるために。


遠く離れても
『あえなくても ずっと好き』


か細く。それでも『ここにいる』と主張する月に、祈り、誓う。


君と生きる

同じ世界を

同じ時を。


世界きみがしあわせになるために。



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『影の追憶』あたりに挿入されるべき話。
不採用になったのはやっぱり
Υ×αを加速するから。←

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満たされぬ想いとは予感しても
想うことが止められぬ愚者の
幸せにしたい姫。

賭けをする。
己は彼女に必要だと。
彼女だけが、手がかりを残さずに消えた自分を追える。
彼女は自分を見つけると。

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