LONG
□まるでそれはアイスのように 序章
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まるでそれは アイスのように
いつかは溶けてなくなってしまう
だからこそ こんなにも美しく愛しい
まるでそれはアイスのように
名門私立志斗高等学校の屋上に1人の少女がいた。
セミロングの黒髪は風に靡き、神秘的な光を生み出している。
漆黒の瞳が見つめる先は、広い校庭。
多数の男子がボールを取り合い、楽しそうに騒いでいた。
寂しそうに見つめる少女は、自らの手を硬く握る。
まるで 神に祈るかのように
『女って、馬鹿だよなぁ』
頭の中で繰り返される言葉。
忘れたくても忘れられない言葉。
あの時のまま、何も、変わってないじゃない。
少女は涙をぬぐうと、踵を返した。
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