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土方君と松平先生




「失礼します。松平先生、明日の部活、」

「言い訳なんざ聞きたくねぇんだよぉ。何でお前は俺の鳩尾にコークスクリューをぶちかましたかが聞きてぇんだよ」

「だからさっきから言ってるじゃないですか。あれは事故なんですって。後ろから友達に吹っ飛ばされた反動で先生にコークスクリュー決めてしまったって言ってるじゃないですか。でなきゃどうしてこんな頭の悪そうな顔した先生に突っ込んで行きますか」

「どこの世界に友達を吹っ飛ばす奴がいるんだよ。それはもはや友達じゃねぇよ」

「先生、何で竹刀振りかざしてるんですか?」

「お前は30秒前の俺に対する失言も忘れちまったのか。その使えない脳みそ叩き直してやるから大人しくしてろよ」

「助けて他の先生方!!見て見ぬふりは何よりも重い罪!!!」

「何してんだお前」

「あ、土方君丁度いいところに。ちょっとこの人何とかしてよ。このままじゃ私の脳みそパーンってなる!!今度こそ跡形もなくやられてしまう!!」

「また何かしたのかお前は。いい加減にしねぇと周りの連中から信用をなくすぞ」

「何で誰も私の味方してくれないの」

「おうトシ、お前どうしたんだ」

「あぁ、明日の部活午前か午後か聞きに来たんだが、」

「あー?時間決めつけてとっとと帰るのか向上心無ぇなテメェらは。休日なんだから好きなくらい己の力磨いてやれよ。どうせ俺明日栗子とショッピング行くから関係無ぇし」

「テメェが一番向上心無ぇよ」

「はい先生!!聞きましたか!!今この男は先生に暴言を吐きましたよ!!?私を正座させている場合じゃないですよ!!殴り合って解決すべき事態ですよ!!」

「あー?こいつは良いんだよ。お前と違って不良生徒じゃねぇからな」

「私が不良なのは体調だけですが。つーか男子より女子に厳しくする先生なんてみたことないですよ。もっと優しくしてくださいよ」

「何のために俺がテメェに厳しく指導してやってっか分かってんのか?それはテメェが若い連中に甘やかされすぎてるからだ」

「そんな覚え微塵にもありませんが!!今もこうして見て見ぬふりを決め込まれていますが!!!」

「あのすいません、俺そろそろ帰っていいですか」

「おう、ご苦労だったな」

「じゃ、失礼しました」

「ひじかたくーん!!待って!!待ってよ!!」

「何だようっせぇな」

「そんな殺生な!!いつもはしつこいくらいに面倒見てくれるのになんでこういう時ばっかほっとくんだよ!!」

「いや、俺もつくづくお前のそういう所直したほうがいいと思ってたから。丁度いいと思って」

「鬼!!瞳孔!!マヨラー!!男前!!本当はいい奴!!」

「それは悪口なのか」

「分かってる!!分かってるよ!!土方君は本当はいい奴だってこと!!!私を見捨てるようなことはしない、友達思いのいい奴だってこ」



バッシィンッ!!!



バタッ、




「騒ぐんじゃねぇ。ここは職員室だぞ」

「っておぉぉぉおい!!!おまっ、今竹刀直撃したぞ!!!」

「心配すんな。こいつはいつも茶番して逃れようとしてんだからよぉ」

「んなこと言ったってこいつびくともしねぇぞ!!ピクリとも動かねぇぞ虫の息だぞ!!!」

「大丈夫だって。あと数時間もすればあきらめて目ぇ覚ますからよぉ」

「それ大丈夫じゃねぇよ!!ちょっ、おいしっかりしろ!!」

「おい、そいつに手ェ貸すんじゃねぇぞ。そいつが自分の力で立ち上がろうとしなければ何の意味も無ぇだろううが。そっとしとけよ。その辺猿飛なんか凄ぇぞ見込みあんぞ。こいつが路上でぶっ倒れてもそっとしといてやるんだからな」

「オメーらに人の心はあんのか!!!こいつほっとくと多分死ぬぞ!!今まで何度も死にかけたこいつを見て来てんだぞ俺は!!」

「だから茶番だって言ってんだろ。つーかこいつもいつまでも寝てねぇでとっとと起きろってんだよな。おーいあと3秒以内に目ぇ覚まさねぇともう一発お見舞いすっぞ」

「頭から流血して白目向いてる奴にそんなこと言えんのか!!逆に凄ぇよ!!」

「あぁ、凄いよな。普通のヒロインには成せない技だよな。その辺の見込みはあるぞこいつ」

「本物の鬼はテメェだ!!おいしっかりしろ、保健室連れてってやっから」

「おいおい甘やかすんじゃねぇよ。そんなことしてたらいつまでたってもそいつのひねくれた根性直んねぇぞ」

「テメェの根性直してから言え。失礼しました」



バタン



「ったく、テメェが甘やかしてっからいつまでも直んねぇんだっつーの」
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