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期末試験が近いです。
「つーわけで楽しい楽しい放課後お勉強会の始まりだぞコノヤロー」
「せんせーい、しつもーん」
「なんだー。あーでもお前の質問って周りの奴らの士気を下げるからきゃーっか」
「何でうちのクラスだけそんなことしなくちゃならないんですかー?」
「畜生俺の発言を総スルーしやがったな」
「だって仕方ないじゃないですか。私暇じゃないしバイトあるし早く帰りたいんです」
「お前はいつもいつもそうやって自分のことばっか考えてんじゃねぇよ。うちのクラスがどんだけ他のクラスより学力が劣ってると思ってんだよ、ってあの馬鹿校長に言われたんだよ。しかも今回のテスト外したら俺の減給まで考えるとか言い出しやがってよ。けっ、」
「けっ、じゃないですよ。あんたも結局自分のことしか考えてないじゃないですか」
「何言ってんだ。学生っつーもんはなぁ、学ぶことが仕事なんだよ。それなのに最後の高校生活ーとか言って勉強そっちのけで諸々エンジョイしてる奴らに教えることが仕事の俺の何が分かるんだよ」
「真面目に授業してくれない先生の勉強なんてする気になれません」
「同じく」
「右に同じー」
「お前らそんなに俺のことが嫌いか。まぁどうせお前らがそういって俺に抗議することは目に見えてたからこっちも色々考えてきてんだよ」
「というと?」
「今回のテストでトップだった奴にはもれなく俺が商店街の福引で当てた熱海の温泉旅行2人組をプレゼント」
「マジでか」
「てゆーか銀ちゃん本気アルか?」
「まぁ1人で熱海行ってもつまらないものね」
「1人モンは辛いアルなぁ。ププッ」
「俺は断固として誓います。お前がトップになったとしてもお前にだけはやらねぇ」
「先生、あなたは1人じゃないわ。私が居るじゃない。卒業したら真っ先に先生に嫁ぐ私が居るじゃない。新婚旅行は熱海でいいじゃない」
「俺は断固として誓います。お前には絶対にやらねぇ」
「あぁ、今日も痺れるその言葉」
「まぁそれは置いといて、だ。お前らさぁ、こうして勉強できんのも今のうちなんだからよ。俺のためとかじゃなく自分のために頑張れよ」
「わぁ、何か先生が先生らしい事言ってる」
「別に勉強しないなんて一言も言ってないのにね」
「もう何でもいいからさっさとやれ」