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新年会に呼ばれました。
『お前それでも人間かァァアア!!お前の母ちゃん何人だァァアア!!』
「あー新八君荒れてますね」
「新年早々財布落っことすとか、随分とドジなことしたもんだねぇ」
「へぇ、新八君財布落としたんですか。それはお気の毒に」
「まぁ別に大した金額入ってたわけでもねぇからあんなに荒れるこたぁ無いと俺は思うけどな」
『アンタらに僕の気持ちが分かって堪るかァァア!!あの財布にはなぁ!!お通ちゃんの新春恒例!あけましておめでとうちゃんの足なんか臭いのライブチケットが入ってたんだぞォオオ!!悔やんでも悔やみきれねぇんだァァア!!』
「ちょいと静かにしておくれよ。荒れるのは仕方ないにしてもマイクで騒ぐんじゃないよ。近所迷惑になるから」
「つーか良かったじゃねぇか、そんな行ったら足臭くなりそうなライブチケット落っことして。逆に正解だ」
「そうだよ新八君。そんな怪しいチケット逆に無くて良かったんだよ。そう思えば気持ちが楽になるよ」
『良い訳ねぇだろォォオオ!! 』
「うるせぇって言ってんだろうが!!歌い終わったらさっさとマイク切れ!!」
『まだ切れません!!この思いが晴れるまでェェエエ!!!』
「じゃあせめてもっと静かにして歌え!!!」
「ばあさんほっといてやれよ。男が落ち込んだときは黙って見守ってやるのが筋ってもんだろうが」
「でもあの調子じゃずっと煩いですよ新八君。随分荒れてますもん」
「仕方ねぇだろ。寺門通親衛隊隊長として大失態をしたんだ。そりゃもう清水の舞台どころか火口に爆弾持って飛び降りるくらいの大失態だ」
「アイドル1人に随分と大袈裟ですね」
「それがアイドルオタクの宿命なんだよ。全くめでてぇ奴らだよ」
『僕はお通ちゃん限定のアイドルオタクだァァアア!!その辺の奴らと一緒にするなァァアア!!』
「だから静かにしろって言ってんだろうがァァ!!テメェは何回言ったら分かるんだよ!!」
「坂田さん、新八君本当は構って欲しいんじゃないですか。ちょいちょい会話に入って来るんですけど」
「いいから無視しろ。あいつは自分で立ち直んなきゃならねぇんだよ。いつまでも甘ちゃんじゃ生き残れねぇんだよ」
「そんなもんですか」
「そんなもんだ」