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梅雨の季節がやってきました。
「雨ですね」
「雨ですねィ」
例の如く沖田さんに捕まり、甘味屋で団子を奢らされていたら突然雨が降ってきました。
「あーあー、沖田さんに奢らされていたら雨降ってきたじゃないですか」
「俺のせいにするつもりかィ。良い度胸じゃねぇか」
「あなたのせいじゃないですか。本来なら私はさっさと買い物を済ませて自宅へ帰るところだったのに。しかも不条理かつ不本意なことにこれといってお世話になって無い沖田さんに団子を奢らされているのですから」
「そんなの今更のことだろ」
「あ、その辺は自負してるんですね。てゆーか弁えてるのなら自重したらどうなんですか。私のためにも」
「誰がお前のために我慢なんかするか」
「あー、何だかどんどん気分が落ち込んできた」
何を言っても無駄だということは十分承知だしいつものことなんだけど、何だか今日はこの天気のようにどんよりとした気分になってしまうよ。どれもこれも沖田さんのせいだ。
「そんなこと俺の前で言うんじゃねぇよ」
「何でですか」
「こっちまで気分落ち込むだろうが」
「沖田さんって気分落ち込むことあるんですか……あ、すいません、ごめんなさいだからその腰に挿してる物騒なものをちらつかせないで下さい」
今更だけどどうしてこの人ってこういう時すぐに武力行使に走るんでしょうね。
そして何で私はこの人のいじめの矛先にされてるんでしょうね。