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□五月雨06
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「あ、しまった」
冷蔵庫の中はもうスッカラカンだった。ここまで何も無くなってるのに気付かない人間もなかなか居ないのではないだろうか。
まぁ無いモンは仕方ない。何か食べに行こう。
そしてやってきたのは定食屋。アレですよ。なんかあんまり金も掛かんないし久しぶりに家庭の味が恋しくなったんだよ。最近自炊して無かったし。
「オジサン、何でも良いから安くて美味しくて早くできるもの1つ」
「え、注文になってないんだけど」
「何言ってんですか。早い、安い、美味い、定食屋の醍醐味三拍子じゃないですか」
「それは店のモットーであって注文じゃないから。分かる?この違い分かる?」
「うるせぇよ。さっさと作れ。今の若者は食に満たされないだけで犯罪だってするんだからな」
「すいませんでしたァァアア!!!」
オジサンが物凄い勢いで私の注文した物を作っている。ったく、こっちは腹減ってるんだからイライラさせないで欲しいね。
と、勝手な意見でオジサンと会話していたら他のお客さんが入って来た。
しかもその人は瞳孔がカッと開いていらっしゃる黒装束の人。
てか、