bloom
□開花03
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窓の外は物凄い大雨で、雨粒が音を立てて窓ガラスに打ち付けている。これから登校してくる生徒たちは極力濡れないように最善を尽くしながら学校へ急いで登校することだろう。
俺はというと部活の朝練が幸いして、雨が軽いうちに登校していたために濡れずに済んだ。まぁ結局部室の鍵は借りれず朝練は出来ずに終わってしまったからこうして教室にいる訳だが、教室にはまだ俺以外誰も来ていない。
「早すぎたか」
特にやることもねぇし朝練は出来ず終いだったし、本当に暇だ。早く誰か来ねぇかなと思いながらまた窓の外を見ると、一つの人影があった。
こんなに大雨にも関わらず、傘もささずに走りもせずに歩いている。何考えてんだ。相当頭のおかしい奴だろうなと思っていたが、その人物は紛れも無く俺のクラスメートだ。
「……何やってんだよあいつは」