空光§月風3

□‡最終章‡扉の向こうへ
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それから私は猫を今まで以上にかぶった


うんん…違う、演じたの


“もう一人の自分を"


みんなに愛されるような性格

笑顔…声


そして色々と努力もした


料理を覚え お菓子作りも上手く出来るまで頑張った


可愛く見られる為に化粧だって覚えた


時代を先取るように、必死に服や髪型など自分に似合うように考えた


スタイルを保つ為にも必死…
朝早く起きて、走った事もある

勉強だって、成績が悪かったら何か印象が悪いし

密かに勉強しつつ平均点はキープしつつも少し馬鹿なフリをする




こうして自分が注目を浴びるように


人気を獲得するために
少しでも、可愛く見せる為に



みんなから愛される“お姫様"に近づけるように

私は、とにかく頑張った






それが実ったのか…

二年の後半には私は学園で一番人気物になっていた



そう…私が一番

私が一番愛されてるのだ




昔の孤独など…嘘みたい
闇なんて見えない

これが本当の“私"だ







なのに… あの場所は未だに

“夜神のまま"




なんで?なんで…?

私のほうが可愛いのに

私のほうが
皆に愛されてるのに

私のほうが…
私のほうが… 努力している



貴女は其処に相応しくない



美祢(赦せない…)

「それが嫌なら…その桜木って奴の位置をお前が奪い取ってやれ」





美祢(ああ、そうか…)



アイツから奪ってマネージャーになれば良いのね?


そうすれば…きっと私はもっともっと光に囲まれ皆に注目され

この学園で私を知らない者などなくなる


一番“愛される人物"となれるんだ…










そうとなれば…私はさっそく

最近、部長になった国光に会いに行った





***



美祢「国光〜♪」


手塚「ん…?」

大石「美祢さん?」


美祢「あッ大石君もォ〜こんにちわァ(ニッコリ)


大石「〜////」




教室へ会いに行けば…副部長になった大石もいた

男テニの部長と副部長が揃ってる。これはチャンスだ



手塚「どうした笑子?」



前々からテニス部の何人かには近づいておいて正解だったと心の中で笑う。


…ちゃんと計算をして動いていた為に他の女より

テニス部の部員と親しい

私は馬鹿なミーハーと違うのだ






美祢「んーとねェ…笑子

男テニのォマネージャーになりたいなぁーと思ったの」



大石「え…本当かい?」


美祢「うんッ 昨日ねェ少しテニス部見てたらァ〜

夜神さん1人じゃ凄く大変そうだったし

だから私で良ければ…皆の役に立ちたいって思ったのォ


………駄目かなぁ?」



少し控えめに上目使いをして二人に聞けば

答えは決まってる





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