空光§月風3

□‡最終章‡扉の向こうへ
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美祢【本当?】


【まあ勘だし…わかんねーけどな(笑)

また きっと会えると俺は思う】




彼は雪が降る空を見上げ私も釣られて見上げる



【そして…またお前が暗い所にいたら

また俺が“笑子"を救ってやるよ


俺はお前の王子様みたいだし】



“なーんてな"


と笑う彼に…スゴく嬉しくて可笑しくて私も微笑んだ




美祢【大丈夫だよ…今度会った時は

私は…“笑子"はお姫様でいるから】



そう…貴方(王子様)に似合うお姫様になってみせる



“お姫様"は誰からも愛されてる者の証であり

それは私が何より憧れた欲した居場所という名







【ふっ…まあ頑張れ】


美祢【頑張る…】


【じゃあな…笑子】


美祢【う…ん………ッ】











それから彼は…あの公園に二度と現れなかった





悲しみや寂しさが襲う度に私は空を見上げ年が明け 新しい年が始まり







桜木 七実はイジメに耐えれなかったのか…親の転勤と同時に外国に逃げて行ったと噂で耳にした


美祢(逃げたんだ…)



罪悪感が無い訳じゃない

だけど私は、あの子に勝ったという喜びのほうが大きかった





それからも私は、学年を上がる度に男子から囲まれ告白される回数が増えていった



“いまさら…"




と言う感情と一緒に脳裏を横切る彼の笑顔

私の王子様は“彼"だけだ



お前達は使い捨ての“駒"で充分

どうせ私の外見や…家柄しか見てない癖に


私は…“信じない"



しかし年月が経つにつれて







人気者と言う名の物に心地よさと優越感を覚えた













そして





馬鹿みたいに騙され簡単に裏切る人間に吐き気を覚えていった






まるで鶴の一声なのだ…


私が嘘の情報を吹き込むだけで壊れる友情

私が猫をかぶり微笑むだけで…好きだと言ってくる薄い愛情





絆なんて 有りやしない

仲間なんて言葉だけ

好きだなんて見ためだけだ…

愛してる?………何を?








小学校を卒業する頃には

多くの駒達に囲まれていても
私は誰も信じられず相談できず






涙を流すことさえ…なくなって






もう、それが私の当たり前になっていたのだ




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