空光§月風3

□‡最終章‡扉の向こうへ
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美祢【うそ…】




秋と二学期が終わり…

街はすっかりクリスマスムードで

珍しく都会に雪が降る12月




いつもの公園で彼に告げられたら言葉


“もう会えない"





その言葉に、私はまた…闇に飲み込まれる気がした


美祢【ど…して…】

<ビシッ>

美祢【ッ〜】


彼のデコピンにうずくまり涙を浮かべる



【お前が呆けて変な顔してっから悪いんだ】


美祢【だって!!…だって


痛さなのか、悲しみなのか分からない涙がポロポロと流れてきた






ハァ……ほら】





スッ…と差し出された手は、初めて合った時を思い出させながらも

その手を掴めば引っ張られ立たされた



そして…彼は何かをポケットから取り出して私に差し出した



【やる…】

美祢【へ?】



だから“泣くな"と差し出されたのは蝶の形をした髪留め


とても綺麗な“銀色の蝶"

所々に小さな宝石が埋められているし見るからに…

高価な物だと分かる




【それお袋の形見なんだけどな…】


美祢【Σえぇ!!そんな大切な物を受け取れない;;;!!】


【いーんだ!!】


美祢【!!】


【俺がお前にソレを渡したいと思ったんだから(微笑)お前は素直に受け取れ】






そして…会えない理由を


“聞かないでくれと"



優しく微笑まれて言われれば断れず反則だと思いながらも

…仕方なく頷いた



美祢【…わかった】





私は髪留めを…ギュウと握りしめる

優しく。でもしっかりと…




美祢【大切にするね…】





…理由は聞かない…

彼が言いたくないなら…

我慢するしかない




美祢【ッ…――君…わたし、ね…――君が好きだよ】



でも やっぱり寂しい悲しいから

これだけは言いたかった
私は彼が 好きだから


彼は私にとって光であり
闇から救ってくれた王子様だった


彼と過ごした時間は短かったけど

この気持ちだけは…彼に覚えておいて欲しい

私を忘れないでほしいから!!





<スッ>

美祢【!!】




返事の代わりにスッと伸びてきた腕は…私の頭を優しく撫でてくれた









【勘……だけど、俺とお前はきっとまた会える】








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