空光§月風3
□‡最終章‡扉の向こうへ
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上田「橘先…輩…」
少女に全員が注目するなか
少女は静かに一歩一歩
部屋の中に入り兄の前に立った
杏「お兄ちゃん…私達は
間違っていたみたい」
橘「杏…どういう事だ?」
杏「………」
その言葉に何も言えずに杏は立海の美加の元へ体を向ける
一方、合宿所から追い出した美加は罪悪感が沸き起こり戸惑っていく
杏「上田さん…ごめんなさい…」
上田「へ…?;; ちょと待って下さいッ 謝らんと駄目駄目なのは私ですよ!??」
ウチは立海の先輩達やリョーマを護る為に…橘先輩の気持ちなど考えず追い出した
そんなウチに橘先輩は頭を下げて謝ってくる…何で?
その言葉が頭をグルグルと駆け巡り、杏の瞳から今にも涙が流れ出しそうになるのを見て
胸が凄く苦しくなり…真っ直ぐ見れず、うつ向く
杏「ッ違う!!!貴方はただ護りたかっただけなのに
何も知らなかった私は…貴方に色々と酷いことを言ったから
まずその事を謝りたいの」
そっと顔を上げれば…自分を真っ直ぐ見てくる瞳
上田「そんなの…ウチだって同じです…立海の先輩達やリョーマを護る為に橘先輩に酷いことした…ごめんなさい」
その光景を周りで見ていたR陣
特に美祢側は意味が解らないという表情だ
『美加…橘(妹)はアレから一人見てたんだよ』
向日「見ていた…?どういう意味なんだ三日月?」
『橘は1人私の隣の部屋で色々と見ていたんだよ…』
丸井「見ていたって…」
尊「監視カメラでしょ?」
「「「「「ッ!!!!」」」」
大石「そんなっ監視カメラなんてプライバシーの侵害だ!!」
『カメラはカメラでも始めから付いてる防犯カメラだ…
ある事件から私の父様が付けた
それを今回はただ、監視カメラとして活用しただけで部屋にはついて無い』
光輝「空風財閥が所有している合宿所で何かあったらマズイだろ?
普段は、警備員と管理人が数人いるぐらいだ」
普通“当たり前だろ?”と補足する光輝
《まッ…父様達の頃は無かったんだけどね…》
『その防犯カメラから橘(妹)は見ていたんだ』
橘「杏、本当なのか?」
杏「うん」
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