空光§月風3

□‡最終章‡扉の向こうへ
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美祢「……ワタシは…

ずっとアンタ達の前でネコを被ってた。アンタ達をずっと騙していたのよ」






明里side〜




開かされた美祢の闇(過去)に戸惑う者達が多くいるなか




観念したのか、諦めたのか…


その本人(美祢)は愛想を振りまいてきた一見可愛らしいブラウンの瞳が

まったく嘘のように面影がなく光を、含んでない



そして顔の表情が今までに無いほどに歪んでおり






明里「ッ…」






“ゾクッ"と背中に寒気が襲う


恐怖とかからじゃない
私は知っているのだ…あの瞳を


明里(壊れる…)




あの瞳は…

信じるコトを止め 全てが敵と考え

否定し拒絶している瞳だッ








その瞳に、眼差しに

ただ皆に注目を浴びたい
ただチヤホヤされたい、そんな簡単な理由じゃないのだと

“初めて"感じさせられた





それがどうして夜神さんや美加…三日月に嫉妬し妬み



なぜ、自分が“姫"とか一番とかにこだわるのか


今だに私はまったく理解出来ないでいる



明里(もしかして…)



あの子(美祢)は私が想ってたよりも遥かにずっと


明里(闇の中なのかもしれないのね?……三日月)



『お前は後戻りが出来なくなり自分を傷つけることになる

もう、いいだろ…』





『………』



立ち位置から表情とか分からないけど三日月は、それを分かっていたかのように何も言わずに美祢を見ているだけだ






美祢「あんた達も、あの駒達と一緒よッ!!

それに夜神 桜火だってそうッ!!

アイツは桜木 七実と一緒で私をずっと見下してたんのよッ!!」

上田「違うッ!!桜火先輩はそんな見下したりしないッ

見下してたんはアンタやろッ!!」

越前「美加ッ!」






ヒステリックに叫ぶ美祢に対して

涙を浮かべ今でも飛びかかりそうな美加を越前が後ろから抱きしめる形で止めている





美祢「見下して何が悪いのよッ…

アイツは…アイツもッ

私の居場所を奪おうとしたッ…私の存在を消そうとしたッ!!


だから私が先にアイツを消したのよッ 私は悪くないッ!!」



どこか悲痛な叫び声が部屋に響き







美祢の頬には一筋の涙が流れた










私は…あの瞳を…

あの一筋の涙を 知っている








そう 私は気づいたんだ…

あの時の三日月と今の美祢は…

とても 似ているんだ…








明里side終わり

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