作品展示場
□novel
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夏休み真っ盛り。
僕の家で宿題をやり終えた藤くんが、昼食のお皿を洗う僕に疲れ果てた様子で声をかけた。
「おい…!」
「?
どうしたの藤くん?」
「暑くね?」
「へ
あ、そうだね
ごめんねクーラー壊れてて」
「めんどくせぇけど
どっか出かけるか
クーラーの無い空間よりはマシかもしれねぇし」
「ごめんね
じゃあ
藤くん決めていいよ♪」
「そうだな、お前に任せると
年寄り臭いとこ言いそうだもんな」
「う…」
ショックで涙目になる僕をニヤニヤと見た藤くんは、考え込んだ。
「ん〜、そうだなぁ
やっぱここはベタに海とか……?」
「海かぁ、いいね」
「…………海…」
「?…藤くん?」
・藤の脳内
《海》
↓
《水着》
↓
《露出》
↓
《みんな見る》
↓
《海でびしょびしょ》
↓
《つか、俺鼻血で倒れる》
「……いや、やっぱ海ダメ」
「えっ??
もしかして、藤くんジョー●とか信じて……」
「アホ
誰が信じるかよ
こうなったらプール…って、同じか」
「じゃあ、遊園地とかは?」
「夏の意味無ぇじゃ…
ああ、お化け屋敷とかあるよな」
「ひぇ??
おおおお化け屋敷??
ムリムリムリ!!!
怖くて嫌だ!」
「んだよ、大の大人がそんなもん怖がってどうすんだよ
お化けったって、どうせロボットや人形だし
いつもお前が相手してる病魔の方がよっぽど…
……
………!」
・藤の脳内
《入る》
↓
《ハデスが縋り付いてくる》
↓
《泣き顔》
↓
《お化けはロボット》
↓
《二人っきり》
「……俺の理性が…」
「??
え、なに藤くんどうしたの?」
「とにかく、行こうぜ富士●のお化け屋敷」
「レベル高っ!!
嫌だよ!
1時間もお化け屋敷なんて嫌だ!」
「確かに、あれは人間が脅かして来るトコだしな」
「へ?
人じゃ、ダメなの?」
「とりあえず、お前の怖がりのレベルがどんなもんか見るか」
「え??
な、なにするの??」
「ホラー映画観まくろうぜ」
「いっ…」
「イヤダアァアアアア!!!」
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