03/02の日記

22:01
千一夜 ヤンデレ 御堂×克哉
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毎夜、一夜を過ごした女性を、殺してしまう王がいた。

それを見兼ねた大臣は、自分の娘を嫁がせて、毎夜、王にお伽話を聞かせる。

いつも途中で話が区切られる事で、娘は千日生き延びたが

いつかお伽話が終われば、あなたは私を殺すでしょう?



千一夜
(明日さえ無ければ)



時間は止まらない。進む一方で、早いか遅いかの違いしかない。

かの有名なアインシュタインでさえ言うのだから、間違いはないが出来れば遅い方がいい。

朝なんか来なくていい。太陽なんか昇らなくていい。明日なんか来なくていい。

未来なんか無くていい。

今だけ、今、この時間だけが欲しい。

だって明日になれば、もしかしたら彼が自分以外の誰かを、愛するかも知れない。

何故なら、自分だけを愛してくれると言う、絶対の保障が無いのだから。

だから、この首に手を掛けたって、自分は悪くない。

「か、つや・・・?」

「・・・」

ベッドで眠っていた彼が、軽く瞬きしてサイドにある時計を見遣る。

「まだ、起きていたのか?明日から、仕事だぞ?」

掠れた声で言われ、彼の首筋に触れたまま答えた。

「明日なんか、欲しくない・・・」

「・・・」

彼の胸に手と自分の顔を隠して、静かに瞼を閉じる。

毎日、夜の終わりを迎えると、嫌な事ばかりを考えてしまう。

そんな憂鬱な月曜日。

自分の髪を梳く指先すら、愛しくて仕方がない。

けれど週末まで、その指先と、さよなら。

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