ショート劇場

□その呼び名は特別
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呼び名と言うのは、人それぞれに違う。

だから、その名で呼ばれると、特別な気持ちになる。



数ある名から、その名で呼ぶ意味。



朝一番に行う事は、煙草を吸う事。

害しかない煙草なのだが、習慣となったそれは、しないと落ち着かない気持ちにさせる。

「……くさい」

だから、開口一番ベッドの中から文句を言う《オレ》に対し、紫煙を吹き掛ければ、咳き込みながら涙目で睨まれる。

「何、するんだよ……」

お前が文句を言うからだと、いつもの返しを用意して、短くなる煙草を味わう。

「……。身体、壊しても知らないからな」

その時は、副流炎でお前も道ずれにしてやる。

有り難く思えまで付ければ、枕に顔を埋め、バカかと言われた。

煙を吸いたくなければ、自分から離れたらいい。

それをしない裸の背中を見て、まだ吸える煙草を硝子の灰皿に押し付ける。

一つ、背中にキスを落とせば、横目で様子を伺われ

「オレ、煙草の味、あんまりなんだけど……」

つまり、嫌いじゃない話を、言い訳がましく言われるのだ。
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