ショート劇場
□独占欲
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恋人に贈るプレゼントには、隠れた意味が存在する物がある。
女物で言えば
ブレスレットは、手錠。
アンクレットは、足枷。
そして、ネックレスは、首輪。
独占欲
(つまり、好きだと言う事)
プレゼントする側になると、リサーチは念入りにしたい。
何が欲しいか、それか何を好んでいるかは、チェックしたい。
食べ物の好みは、一緒に過ごす間に大体の事は理解できるが
「物となると、難しいな」
寝室にて辺りを見回しながら呟くと、無駄な物が無い事は知れる。
クローゼットを開けば、綺麗に並ぶ洋服類。
小物は別の場所にて保管されているが、こちらも困らない程度には充実している。
(いっその事、欲しい物を聞こうかな・・・)
ただ、直接聞けば、サプライズの意味が失われてしまう。
それが嫌だとなれば、また振り出しに戻り、いつまで経ってもプレゼントが決まらない訳だ。
(・・・そういや、直接肌に触れる物を贈る人って、独占欲が高いって聞いたな)
カチリと、プレゼントされた自分の腕時計が時間を刻み、思わず笑みを零す。
「分かってますよ。オレは、あなたのモノだ」
そう言いながら時計に頬を寄せ、ようやくスーツから普段着へと着替えた。