12/08の日記

08:49
眼鏡×御堂 ギャグ甘
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一生の内に、読んだ字の如く、罵声を浴びせる事をしたのは、あの凌辱の間ずっと。

口を開く度に出るのは、悪態と罵声。

汚い言葉ばかりを吐き出して、自分を防衛するのに必死だった。

「な、な・・・」

「だから、俺を好きだって言ったら、これ開けますよ」

目の前で見せびらかされた、名のある高級ワイン。

見た瞬間、飲みたいと感じたのだが

買ってきた本人が何を思ったか、愛の言葉を言えと私に強制する。

「・・・こんな事で言った言葉に、意味などあるのか?」

「見出だすのは、俺だ。ちなみに『克哉、大好き(ハート)』までして下さいよ?」

真面目な顔で、気色悪い事を抜かす恋人。

取り合えず、殴ったとしても、正当防衛だろう。

「か、かつ、や・・・」

だが恥も外聞もかなぐり捨てて、ここまで来た。

これくらいなら、朝飯前だと・・・やはり思えない。

真っ赤な顔でフルフルと身体を震わせると、ソファーに置いたコートを掴む。

「帰らせて貰う!!ワインは、一人で飲んでくれ!!」

慌て逃げる自分に、いつもの笑い声が耳に届く。

それを扉で隔絶すると、佐伯から見えない所でしゃがみ込んだ。



「ククッ、冗談にも必死だな」

手にあるワインを大切にワインセラーに直すと、テーブルにある携帯を取る。

リダイアルから御堂に電話を掛けて、出たと同時に告げた。

「ワイン。貴方と飲みたいから、戻って来て下さい」

『・・・』

「俺は、好きですよ」

どんなに軽かろうが、好きな相手から聞いた言葉が、この世で一番重い。

『・・・私も、君が・・・』



何かを叫ぶ位なら、愛を叫べばいいのに



『・・・好きだ』

だから、この言葉が、とても心地好い。

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