□GOOD SKY
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始めて出会った時は 何だこの人達?と思ってばかりだった。

そもそも部活名から変だし…“ドッチボスケット部”だなんて聞いた事ないもん…。


そんな得体の知れない部活動に私を無理矢理入部させて しかもボスをやらせるなんて、眉目秀麗・文武両道の評判はただの噂の一人歩きだったのか!?と思ったりした事もある。

けど、今は違う…だって心から思えるから。“あぁ…彼等は仲間なんだ”って。

私はしっかり彼等に護られながら生きているんだ。

このコートの中に……。




『美緒!大丈夫だ心配すんな!俺がしっかり護ってやるから』

私を無理矢理入部させた張本人…崇先輩。いつもやってる事無茶苦茶で何も考えずに突っ走ってるだけなのかぁと思ってたけどそうじゃない……彼は周りの人の事をちゃんと考えて行動しているんだ。熱くて熱血だけど仲間思いの優しい人…。そして私に居場所をくれた人……。




『無理はしなくて良いですからね美緒。女のコの日は女のコにしか分かりませんから(笑)きつくなったら言って下さい(笑)』

未だに天然なのか意思なのかよく分からない鏡先輩。毒舌ばかりを吐くけど実は学園1位の成績を誇る秀才…。私の個人情報を知ってたりするとこがあるから たまに恐ろしい。けどやっぱり大切な仲間だ…。




『とりあえずは俺らが護ってはやるが絶対に当たるな。当たったら後で殺す』

一城先輩は始めて会った時はただただ恐ろしくて仕方なかった。誰ともつるもうとせず いつも一人で行動するし口数も少なくて何となく打ち解けにくいなと思ってた。けど合宿をした時に分かった…彼の性格上、人と絡むのは極力苦手なタイプなだけなのだ。暴言を吐くのもきっと彼なりの愛情表現。




『美緒大丈夫か!?怪我してないか!?変な男に誘拐されてないか!?怪我してないか!?』

さらっと同じ事言ったよこの人…てかまだ試合始まってないし。始めからずっとナルシストなのは変わってない。魔貴はホント女のコ好きで同じ学年の私は周りからの目が厳しくてことごとく恥ずかしい思いをした。けど今ではそれも良い思い出。唯一の部活内の同級生。



『んじゃ!今日も俺らで美緒を護るぞ!!!!』
『『おぉ〜!!!』』
『………………』

みんなで円陣組むのも…崇先輩のこの恥ずかしい掛け声聞くのも…あとの3人の反応の違いを見るのも…今日で最後…最後なんだ…………。


コートへ向かう皆の背中を見て思わず口から気持ちがこぼれ出てしまった。


私はこの背中に護られたんだ。
『みんなっっ!』


絶対に私は負けないから…私もみんなを護るから…

『頑張ろうね!』
『『『『っっっ!』』』』

少し驚いた顔をされたけどすぐにあたたかい笑顔を返してくれた。











end
2008年10月5日

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