詩
□ほのかな香り
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朗らかなあたたかい香りに包まれて……たんぽぽがお日様を見つめている。
窓の外の風景は見ているだけで気持ちがよくて、思わず微笑んでしまう。
お姉ちゃん、この季節…貴方は私を置いて去ってしまった。
貴方はまるで私を妹のように可愛がって下さった。
姉のいない私も…貴方の事をホントのお姉ちゃんのように慕いました。そんな貴方がここから去ってまだ一ヶ月もたたないなんて…私にはとても信じられません。
そして貴方と入れ替わるように ブカブカの…でも十分に上品な私と同じ色の服に包まれたヒヨコちゃん達に出会いました。
キョロキョロと、まるでお母さん…いえ……まるで…はぐれてしまったお姉ちゃんを探すようにこの建物の中をさ迷い歩いてた。
今も思い出すだけで喉まで笑いが込み上げてきます!
私は貴方…あのヒヨコちゃん達は私なんですね。今度は貴方の代わりに私があの子達を引っ張らなきゃいけないのね。
せいいっぱい せいいっぱい今の自分に出来る事を………。
そしてまた貴方の隣で笑う事が出来るように、ようやく決心がつきました。耳から入ってくる数学の“じゅもん”も今の私にとっては心地良いBGM…
次の春にはまた貴方と姉妹になれますように……。