詩
□恋のドロップ
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小さい頃から私が大好きだったドロップキャンディ…
振ったらカランと綺麗な音がする…中からは赤や黄色や緑の可愛い色が飛び出してきた。
小さくて丸くて可愛い物が大好きだった私はドロップがアイスやゼリーよりも大好物だった。
私の大好きなおばあちゃんがよく言っていた。
黄色は友情の色…
緑は家族愛の色…
オレンジは動物愛の色…
私はフルーツの味でその事を自然に覚えた。他にも色々な事を教わった…でもただ一つ…ただ一つだけ…教えて貰ってない色があった。…それはストロベリー味のドロップ…赤色のドロップ。
何故教えてくれないの?と幼い私が聞くと、おばあちゃんは柔らかなまるで天使のような微笑みで答えた。“おばあちゃんでは教えてあげれないんだよ。お前もいつか大人になって、この味を教えてくれる人が現れるから。それまでオレンジやレモンの味をしっかり覚えるんだよ”。
あの頃の私にはまだその意味がよくわからなかった。
でも…17になった今…。
ようやく分かった気がする…
目の前にいる他校の男の子…。たった今渡された手紙を持つ私の手は焼き立てのアップルパイを食べた時のように熱くて……
きっとこれが……おばあちゃんが言ってた…ストロベリーのドロップの味……。
end