小説【恋の豪邸】

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頭がくらむ中、俺は春独特の生寒い夜の風に当たりながら外を走り隣町に来ていた。

『っっ』

俺はスピードを急に落とし、ある建物の前で止まる。そしてその建物も見上げた。

“林檎街展藝全病院”

俺は隣町に来ていた。







ガラッ
『おいモモっ!』
『病院ではお静かに!』
『っっっ』


扉を開けた瞬間、ナース服を纏った女に咎められた。

『わ…悪ぃ』
『失礼ですが貴方は姫川様のどのような御関係でしょうか?』
『俺はコイツの………主人だ…。海音寺家の…息子だ』


『えっ海音寺家のっ!?失礼致しました!』

『モモは…無事なのか?』


それ以前に何故隣町に来ているか…それは俺にも分からねぇ。あの後使用人から言われた事はこの町にモモが居ると言う事だけだ。
“大変です隼人様!モモさんが今隣町の病院に運ばれたって連絡が!!!”

話によるとモモは隣町の横断の所に倒れていたらしい。人があまり寄らないような場所だが偶然にも通りかかった人が病院に電話を入れた…と言うところか。


『モモさんは無事です。ただ疲労と風邪が重なっただけのようですね…今はまだ絶対安静が必要となりますが……』


『そうか……分かった』

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