小説【恋の豪邸】

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『ご主人様………』

ご主人様が倒れられた後、私は恭矢さんの肩を借りてご主人様をベッドまで運んだ。

恭矢さんは“また来ます”と言ってまた窓から飛び降りて行った…ご主人様は変態だと仰ってたけど、やっぱりお優しいんですよね。ベッドの上のご主人様を見つめる。何てお綺麗な…。

『…はぁ……はっ』

息切れされて……汗が酷い。あぁ私が代わって差し上げれたら……ご主人様お苦しそう…。あ、汗を拭いて差し上げなければっ。

『……モ…モ…』
『っ…ご主人様?』


一瞬目が覚めたのかと思った。私…ご主人様の夢の中に登場してるのでしょうか…?

『モ…モ…煙草…』

いや…やっぱこれ起きてません?起きてないですかこれ?

『ご主人様…煙草…煙草ですか………?』

返事がない……寝言?いや…でも、ご主人様が煙草が欲しいと仰ってるのだから買いに行かなくては!!

『ご主人様待ってて下さい。すぐに買って参ります』


私は財布だけを取るとご主人様の部屋から転がるようにかけて行った。

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