小説【恋の豪邸】
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『駄目ですご主人様。ヒッヒッフーって食べないと苦しみも和らぎませんよ?』
激しく間違っている事に気づけ。俺は呆れほうけ手を自らの顔を覆うように被せた。
『お前…どこでそんなヘンテコな知識仕入れてきやがった』
『ヘンテコじゃないです!これは前に恭矢さんに教えて頂いた正式な方法なんですよ?』
『あぁ!?』
今聞き捨てならない単語が入ってた気がする…
『今…何つった?』
『いえですから恭矢さんに』
『なっ何だとー!?』
“恭矢”ってのは俺らの天敵(…いや実際そう思ってんのは俺だけかもしれないが、)俺らとは他所の学校に通ってる不良なんだが色んな場で鉢合わせしては俺と喧嘩になる何てか…敵だ。初めて会った時から気食わねぇ奴…だがある日(よく絡まれる)モモが不良に絡まれた所、恭矢に助けて貰ったと家に連れてきた事があった。モモが絡まれた時には共同戦線で不良を倒した事もあった。だから悪いヤツでないと分かったんだが……アイツは……アイツは……
変態なんだ!
知り合って半年くらいに気付いたんだがアイツは紛れもなく変態だ絶対変態だ行動言動全てが変態なんだアイツは。
俺はモモの肩をガシッと掴む。
『おいモモ!テメェ骸と会ってんのか!?』
『“会ってる”だなんてそんな合挽きみたいな言い方止めて下さい。普通に会いますよ』
やっぱ会ってんじゃねぇか!
『とにかくアイツは変態なんだから話すんじゃねぇ!』
『変態?恭矢さんが変態な訳ないじゃないですかぁ(笑)』
いや変態なんだよアイツは!
『誰が変態ですか?』
『『!!!』』
突然どこからか声が聞こえて来た…だが辺りを見渡しても誰も居ない。この声は……
『恭矢!?』
『はい。貴方が変態だなんて言うから居ても立っても居られず…入って来ちゃいました。』
ソイツは俺のベランダの窓から部屋に入ってきた。ほら見ろ変態じゃねぇか。
『うわぁスゴいっ!忍者ごっこですか!?』
『………………………。』
と思ってないのはコイツだけ…………。