加地×日野小説

□恋人同士
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カタンカタン…

土曜日の夕方、家路につく為、電車に揺られる。
さすがに座る事は出来ないがそこまでの混雑ではない。
加地と香穂子はドア付近に立って今日のデートの内容を思い返していた。

「今日は楽しかったね〜、香穂さん。」
「ホント、久し振りの遊園地だったけどすっごく楽しかった!」

そんな話をする2人の顔は端から見ても楽しさが伝わるような笑顔だ。

「でも疲れてない?結構歩かせちゃったけど…つい楽しくて無理させちゃったね。」

加地は心底心配そうな顔で香穂子を気遣う。
その加地の様子を見て香穂子は苦笑してしまう。

加地はいつも過保護過ぎる程、香穂子に甘い。
天羽や土浦に呆れられる位、香穂子を大事に大切に、壊れ物を扱うかの様に優しく接する。
当の本人である加地には香穂子に対しそう接する事は当たり前で、夢だったから全く気にする様子はない。

むしろ、
「自分の愛しい人に優しくするのは当然でしょう?」
と幸せそうな笑顔で語り、周りを辟易させている。

そんな加地の(周りが言うには度を越した)優しさは香穂子にとってはやはり嬉しいもので自然と笑顔がこぼれる。
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