短編

□卒業
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今日、私達は中学を卒業する



『って言っても
ちょっと校舎かわるぐらいなんだけどねー』


「そう……じゃな」


『何?雅治寂しかったりする?』


「少しな」



以外だった
【んなわけなかろ?】
とか言ってくると思ってた


今は雅治と一緒に卒業式を
屋上でサボってるとこ



確に…この屋上や教室が変わってしまうのは
少し寂しい気がする


特に屋上は色々思い出がある


『……雅治…なんか悲しくなってきた…
抱きついていい?』


雅治に返事をする代わりに
抱き締められた



そうだ…
私と雅治が付き合い出したのもココ、
初めてキスしたのもココで、
喧嘩も仲直りも
全部この『場所』で…



「…なぁ……俺と一緒に居って幸せじゃった?」


『うん』



永久の別れのような口ぶりだった
…いや、きっとこの『場所』とは永久の別れになるだろう


『幸せだったよ
本当に幸せだった』


「そりゃぁよかった…

…もう、明日からはココに来れんの…」


どうやら雅治は私と同じ考えだったらしい



「『ありがとう』」


「『……っぷ!!』」



唐突に言った『場所』への感謝の言葉は
見事雅治とかぶった

しかも吹き出したところも同じ




『場所が変わっても…ずっと一緒に居てね?』


「当たり前じゃろ
ずっと一緒じゃ」


『あークサ

「クククッ…
そうじゃのぉ…」





しばらく二人で抱き合ったままその場に居た

そしてどちらともなく立ち上がり
屋上から出ていった









この『場所』は
今日で卒業

この『関係』は
永遠に


(愛してるよ…永遠に)






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