□with you
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もう会えないと思った君が帰ってきた

嬉しくて
嬉しくて

涙が出てきて


その晩、
俺の我儘全てを受け入れてくれた君を

心から愛しいと思いました。


アレ、コレ絵日記?



【with you】


眩しい光に身じろぎつつ、
炎はふと意識を取り戻した。
朝のにおい。
同時に、背中から昨日散々想いを伝え合った愛しいパートナーのぬくもりを感じる。


(あぁ、ほんとに帰ってきたんだ)


小さく笑みを浮かべながら、
自分の腹に回された水の腕を包み抱く。

夢みたい、この世界に来てからの不安な気持ちが全部、
キリが晴れたみたいにスッキリなくなってるんだから。


「ん・・・」


きゅっとその手に力が入ったかと思えば、背後で小さく聞こえるうめき声。


「起きた?」

「ん〜・・・、まだねむい・・」


炎が寝返りをうって二人は向き合う状態に。
重たい目蓋を閉じたまま水が返事をする。


「・・今日くらいは休みたいなぁ・・」


擦り寄って甘える水はまるで犬のようで。
その髪を指に絡めて遊ばせる。


「だめ。」

「・・・何で?」

「こんな狭いトコで水と居たらドキドキする」


半分本気の気持ちを冗談めかしてくすくすと悪戯に笑えば、
図らずとも水を喜ばしたようで。
炎を抱き締める腕に更に力を込めた。


「・・さすがに苦しいんだけど」

「炎が仕事に行っちゃうから離しません・・・ていう意思表示。」

「子供か」

「それでもいい。・・・ね、炎」


甘えた声でねだりながら炎の髪に唇を埋めると、くすぐったそうに水を抱き締め返す。

水は一度こうだと決めたらてこでも意見を変えない。
諦めを交えた苦笑を浮かべながら「しょうがないなぁ」と炎が言った。

結局はまだまだ水と二人きりの時間が欲しいわけで。


「・・その前に」

「ん?」

「チームの皆に休業だって言わないと」

「あ、そっか・・俺が電話する」


待ってて。言いながら照れ臭そうにキスを落とすと、水はベッドから下りて居間へと移動した。

残された炎は、水の体温を残すシーツに頬を寄せる。


(これからはずっと一緒なんだ)

(歩いていける)

(大丈夫)

(君となら)


居間から聞こえる声が、酷く心地よかった。



end.
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