Treasure

□サイ様から
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大好き。それは私が時々幸村に言う言葉である。私が大好きと言う度に幸村は顔を真っ赤にして慌てふためく。いつまでもその言葉に慣れない初なところは幸村らしいと思う。からかっている訳ではなくて本当に幸村を大好きだから言っていたのだけど、そこに恋愛感情があるのかどうかは自分でもわからない。自分の気持ちなのに理解出来ていないなんて馬鹿みたいだけれど、案外本当の自分の気持ちなんてわかないものなのだ。

「す、すすす好きだ!!」

昼休み、廊下の真ん中で響いた大きな声。それは私の目の前で顔を真っ赤にしながら、しかし、視線はそらさずにまっすぐ私を見つめた幸村の声だった。今、なんて。いや、その前にここは廊下のど真ん中。しかも、選りに選って人が多い昼休みなのだけど。

「ゆ、幸村?」

「お前が大好きなのだっ!」

大好きって餓鬼か、なんて伊達くんの声が聞こえた気がしたけどそんなことに構っている暇はなかった。え、何、やばい。顔が熱い。私、どきどきしてる。誰にでも大好きって言ってもらえるのはすごいうれしい。でも、こんなにどきどきするものだっただろうか。原因は何かと考えてみてもそれは明確で。いつも言う私の大好きと、今、幸村が言った大好き。ことばは同じなのに込められた気持ちは全く違う。恋とか、愛とか、親愛や友愛と区別がつかなくて、よくわらなかったはずなのに。あれ、私もしかして幸村のこと。

「すき」

「え」

「私も幸村のこと大好き」




相互記念に幸村夢を頂きました。

照れ屋な真田さんがツボです…!

ありがとうございました!



11*6/11
 

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