永い夢
□第壱話
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泣き出しそうな空の下を足早に進んで行く
私はぎゅっと荷物を抱え直すと、大通りへと出た
人通りは少なく、いつもは賑やかな商店街も今日はどこかひっそりとしている
ふと、路地裏に目がいった
(確か…近道だよね?)
ここを通れば家まで直ぐなのだが、私は何故かこの通りを好きになれず数えるほどしか通っていない
ポタ、と頬に水滴が伝う
(この際四の後のいってられないか!)
私は腹を括って、路地裏へと進んだ
しばらくして―――
(可笑しい…)
あれから裕に数十分は過ぎた
道は一本道で、迷うなんて事は有り得ない
なのに…
「なんで抜けられないのよー!」
今だ先は見えない…
雨はまだ振り出していないが、いつ降り出すかもわからないような天気だ
抜けだせない恐怖と不安で、自然と足早になる
最後には走り出していた
そして…
道端にあった石の一つにつまずいた
(こける―――!!)
私は覚悟してギュッと目をつぶった