小説

□tears drop★7★
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「もう5年くらい前の話だ・・・」


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「大吾」

由梨花の俺を呼ぶ声が好きだった・・・


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「大吾!!
お待たせ!!ごめんね!!」

ちょうど20歳の頃、由梨花は女子大生で、俺はアルバイトで学費を稼ぎながら夜間の専門学校に通っていた

「俺もさっき来た所だ」
「嘘!!
だって待ち合わせから10分も経ってるもん!!
大吾が遅刻なんてした事ないじゃん!!」
「わかったから、落ち着け
何か飲みに行こうぜ」
「うん♪」

俺のバイトが終わってから、学校が始まるまで2人で話すのが、毎日のデートだった
俺も由梨花も由梨花が卒業したら結婚するつもりだったから、それまでに手に職をつけようと必死だった
その頃から頭は緑だったけどな・・・

「今日も学校頑張ってね!!」
「おぅ!!」

そんな日が続いて、由梨花は3回生、俺はなんとか職につけた
それが今の会社だ
もっと小さかったけどな
まぁもともとあそこでバイトしてたから、バイトから社員に昇格しただけだけど・・・
俺はバイト時代に培った技術と、学校で学んだ事を活かして、由梨花が卒業する頃には、現場の指揮を任されるまでになってた



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