小説

□tears drop★1★
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「昨日も出たんだって?」
「あぁ・・・
赤い悪魔だろ?」
「また女を助けたらしいぜ」
「その女とまたホテルへ行ったとも聞いたぞ」
「まぁ男も助けたことがあるらしいが
"女じゃねぇのかよ・・・"
っていわれたらしいぜ・・・」
「赤い悪魔・・・
いったい誰なんだ?」




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「着きました」
「ありがとう」

男はいつものように秘書に家まで送ってもらったところだった。

「こんばんわ Mr.庄治(ショウジ)」

車を降りた彼の前には赤い目と髪をした少年が待っていた。

「君は誰だい?」
「今裏社会で話題の“赤い悪魔”と言えばわかっていただけますか?」

少年はこの先に楽しみがあるかのように微笑んでいた。

「ほぅ・・・君が・・・
噂はいろいろ聞いているよ
恐喝や詐欺それに強姦されそうになった女の人を助ける正義のみかた
ただし助けた女とそのままホテルへ行く赤い目と髪の男だったかな・・・」
「そんな人聞きの悪いことを言わないでください
俺は男も助けましたしこれからだってそうするつもりです」
「それは失礼した
その君が私にいったい何のようだい?」
「鶴見 時貞(ツルミ トキサダ)という男をしっていますね?
そのことでお話にまいりました」

少年の口からある男の名前が出たとき庄司の横でじっと話を聞いていた秘書が動いた。

「お前はあの男の部下か!?」

叫ぶと同時に少年に殴りかかった。

「・・・!?
人がせっかく下手に出てやったっていうのになんて野郎だ!!
先に手出したのはそっちだし慰謝料請求されても払わねぇからな!!」

少年は秘書の攻撃をかわしながら叫び返していた。
その言葉を聞いて完全に頭に血が上った秘書は攻撃をやめずに何発もの蹴りやパンチを少年に向けて放った。
少年は全てかわし秘書の腹に1発くらわせた。
その1発を受けた秘書はその場に崩れ落ちた。

「ほぅ・・・
噂通りの強さだ
秘書が失礼なことをしてすまなかった
話を聞こう
入りなさい」
「そうさせてもらおう」

少年は秘書を担いで男と共に家の中へと入っていった。
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