ヘタリア

□戦場のメリークリスマス
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                               遠くで、金属音 が響く







































辺りはもう、真っ暗だった
視界は闇に慣れ、相手の動きも見える
だが、やはりこちらに部が悪い

ドンっと鈍い音がする
慌てて剣を振ると、相手も剣で受け止める










「バッシュ、俺だ、俺」















輪郭しか見えていなかった視界がはっきりとし、表情まで見えてくる







「何だ、貴様か」











少しばかり、気が抜ける
それは、ルイも同じらしい

二人並び、辺りを見回しながら歩く












突如、鐘が鳴る
11回その音が響くと辺りはまた静まり返った。
ソレは、11時を告げる合図だった




「・・・もうこんな時間か」





バッシュが一人、呟く










その次の瞬間、





























「来るぞ」






































ルイが小さく囁いた
頷き、相手に気付かれない程度に構え、神経を研ぎ澄ます














「我輩が援護する。貴様が行け」




















小声で言うと、ガサッと小さく叢が揺れた


































「そこか」


































ルイが剣を振り下ろす
途端に赤が辺りに散った








ソレが合図ともなり、相手が動き出す










































金属音が響く


































静まり合う事無く流れる、金属音。それと共に、悲鳴や叫び声も聞こえてくる
次第に、雪が降ってきた

白と赤が闇に、呑まれていく






腕に痛みが走る
どうやら、深めに切られたらしい
でも、今はそんな事関係ないのだ















(共に勝って帰らねば)










































どれほど、時がたっただろう

どさっと、人の倒れる音が響く
あんなに人で埋め尽くされていた視界が、今はもうすっかり拓けていた

一面の銀世界と、人の山が目の前に広がる
銀世界と言うよりは、赤と白の世界だ。赤と白と闇しかない







それでも、美しかった









ズキンッと腕が痛む
それではっと我に返る









「行くか」


















剣を鞘に戻す
二人、並んで歩いた

雪は未だ降り続いていた







「・・・ホワイトクリスマス、だな」







ルイが柄でもないことを呟く





「・・・ああ」




なんとなく、つられて返す



きっと、クリスマスの所為なのだ











12時を告げる鐘が鳴り響く





























「ルイ」








































鐘が鳴り終わる前に呼び止める













言うが早いか、腕を攫みこちらへと引き寄せた






































唇が、重なる




































































「メリークリスマス」

























































ルイが驚嘆の表情を浮かべる































バッシュはにやりと微笑んだ



























































そう、コレはクリスマスの仕業なのだ。




























と言う事で、メリクリvv
ひゃっほう、やっちゃった〜♪
心意気攻めなスイスが書きたかったのですよ!!
皆さんにも、素敵なクリスマスを・・・
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