ヘタリア

□小さくて美しい、
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「貴方が好きです」


だから、と日本は続ける。








「・・・死んでください」




其れは、あまりにも唐突で幼稚な言葉。普段殆ど感情を込めようとしない瑞西の顔に驚きの色が浮かぶなんて百も承知。
言葉にならない言葉をどうにか伝えようとする瑞西に、否、自分に、なのか、微笑んだ。

瑞西の開いてはまた閉じる唇が、酸欠の、死ぬ間際の金魚を連想させる。



意味がわからない。理屈が通らない。何故?

きっと、そういう類の言葉を紡ごうとしていたのでしょう。
そう考えるのが正しいし、それが「普通」なのだから。




でも、


『そんなの判っているのです』

自分の中で小さく呟く声がした。今更ながら、理屈や正論で通すつもりなんて無い。


自分と変わらないほど小柄な姿を見つめて、感情の無い声で告げる。



「貴方が永世中立国に在る限り、」


私は、今の私には、


「貴方が味方に回ることなどきっと、在り得ない」



それは、私の個人的な感情だった。



が、しかし、貴方が争いに巻き込まれて滅びでもしたら、私は平常心でいられる自身がない。そんなことになるのだったら、いっそ自らの手で壊したかったのです。


だから、


「お願いです・・・死んでください」



許してください、なんて言いません。
全ては私の勝手な感情の所為なのですから。


蒼い瞳から、雫が零れた。
それに触れながら、鈍く光る刃を翳す。



あまりにも、貴方の姿は美しすぎて、涙が浮かびそうになる。
しかし、私の瞳は泣くことをしなかった。否、出来なかった、と言った方が正しいのかもしれません。もう既に、其れは泣き果してしまっていたのでしょう。
こんな日が、いつか来ることを知っていたから。こんなことを言う日が迫っているのが分かったから。



最後に、本当に心を込めて精一杯言葉を紡ぐ。























「・・・愛しています」

















Fin.















この後どうなるかは、ご想像にお任せしますw
ぶっちゃけ、タイトルどうでm(殴)
御眼汚し&突発的なものですみません・・・orz

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