ヘタリア

□セイント・ヴァレンティーノ
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町中がハートに包まれる恋人たちの日



              『セイント・ヴァレンティーノ』













ここにも、二つの影が並んでいた。







金髪の小さな青年が振り返る。



青年よりも幾分も背の高い男が後ろに立っていた。




今日はセイント・ヴァレンティーノ。

男同士のヴァレンティーノなど盛り上がるはずもなく、二人の間には気まずい沈黙が流れる。
二人の間の微妙な隙間が余計に気まずさを募らせた。










「・・・何用だ?」







気まずさに耐え切れずに口火を切ったのは、以外にも青年だった。

僅かに震えたような、声。












「あー・・・今日が何の日か知ってるか?」





沈んでいた視線を戻し、ゆっくりと話しだした。











金髪が揺れ、スイスは肯定の意味を示す。






「・・・セイント・ヴァレンティーノ・・・であろう?」













男も頭を振り、背後から小さな包みを取り出した。
青年の顔が、驚きに染まる。











「・・・ゲルマン人なら解るだろう・・・?」






男は、静かに問うた。
青年は視線をそらし、頬を赤らめる。



それは、肯定ととって良いのだろうか?

疑問に思いつつも、肯定の意だと受け取り








「・・・愛してる」




小さく、止めの言葉をさした。



青年の思考が段々と凍りだす。
普段聞きなれない、使い慣れない言葉を目の前で言われ、錯乱しているらしい。




鈍感な男は、これに気づくはずもなく、引寄せて、抱きしめた。


いよいよ、体の方の動きも固まる。




















暫くしても動かないスイスにようやく気づいたドイツは
心配し、体を揺さぶり声をかけた。





「・・・スイス、スイスッ!!?」





男の声が響く。


錯乱していた意識が戻ってきたのか、スイスの瞳に生気が宿った。







その途端、














「放すのであるッ!!!」






暴れだす。
頬を、これまでに無いほど紅く染まらせて。




「この・・・馬鹿者がッ!!!!!!!」



小さな体で男を振り飛ばし、足早に去っていった。









足音が、嫌に響く。




ただ一人残されたドイツは、訳がわからず呆然と立ち尽くすのであった。














本家様に便乗してヴァレンティーノ!!
いつもと違って本家様っぽいドイツがかけてよかったですw
ヘタリア総当りCP祭り様へ献上させていただきます!!!
独瑞よ広まれッ!!!!!!!

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