今日は誰かな?
□今日は誰かな?
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それは、了ちゃんが帰った数時間後の夕方のこと。
それまでは暑苦しいくらいの晴天だったのに、急に薄暗くなった。
何事かとおもい、ベランダから外を見ると・・・
『うそ・・・』
見事にバケツをひっくり返したような量の雨が降っていた。
ちらほらと雷も落ち始めた。
私は洗濯物を急いで取り込もうとする。すると、
ボフンっ!
という音と煙とともに人影が現れる。
____一日に一人じゃないんだ・・・
「・・・凛、さん?
あなたは若き日の凛さんですか?」
いつもならそのまま抱きついてくるのに、今日は違った。
なぜか、肩を揺らしている。
『ランボ・・・?大丈夫?』
私は最初、寒くて震えているのかと思ったけど、違った。
ポタっ
不意に、ランボから流れた涙。
そして、それが引き金になったようで、
「凛さん、凛さん、凛さん・・・」
『大丈夫。未来はどうでも、私はいま、確かにここにいる。存在している。
ツナに、助けてもらったこの命は、まだ、灯火を光らせている。』
「・・・凛さんらしいですね。」
『だって私だからねー。
で、ランボは?』
「・・・いままで、本当にありがとうございました。
泣き虫だったころから、面倒を見ていただいて、本当はとてもうれしかったんです。
死んでしまったことは悲しいですが、凛さんのことは一生忘れません。
____あと、これを。
イーピンとハルさんからです。
それでは、そろそろ時間なので・・・」
そういってランボは悲しそうに笑い、いってしまった。
私は渡された手紙を大事に胸に抱いた。
外に降っている雨は、落ちている雷は、まるで私の心のようにすさんでいた。
____星屑、三つ 私の心に。