アニメ見たら悲しくなったから幻チャン幸せにする小話書こう!と思ったら思いの外暗い話になって余計切なくなったでござるの巻。
「例の仕事完了致し…ゴホ。例の仕事だけど完了したよ、白蘭!」
「はーいお疲れ様綱吉クン♪ご褒美に頭ナデナデしてあげるから、僕の近くにおいで」
「……は?」
いいから早く来いと催促され、綱吉は動揺しながらも白蘭の元へ寄った。
ホワイトスペルの白い制服を着込んだ体で、白蘭の足元へ跪く。
「綱吉クンは本当にいい子だね」
「……。」
白蘭の指に優しく髪を梳かれて、そのまま柔らかに頭を撫でられた。
穏やかな声色も混じって、心の枷が外されていく。
綱吉は瞼を降ろし、白蘭に身を預けるようにその膝に頭を摺り寄せた。
「でも、まだダーメ」
「っ!?」
クイ、と顎を掴まれて顔を上向かされる。
微笑んでいた白蘭の瞳が開かれ、紫に射抜かれた。
「綱吉クンなのに、キスしたくならないんだもん」
薄い唇が艶やかに、更に深く曲線を描く。
指を外されても、決して外す事の出来ない視線。
「もっと完璧に化けてさ、僕を欲情させてみてよ。……幻チャン」
本物を手に入れる、その日まで。
浅ましい欲望を映す紫が、また瞼の奥に隠される。
綱吉の姿をした男は、どこまでも深く、頭を下げた。
「……御意」
例え、幻像に自分自身の存在を脅かされようとも。
それが、唯一の神の願いであるのならば。
必ず、この手で叶えてみせる。
後日談
「と、いう訳でしばらくお前と共に生活させてもらうぞ沢田綱吉」
「どういう訳でえええええ!?」
わざわざ綱吉さんの元まで来たのに連れ去らずに己の鍛錬をしちゃうのが幻チャンクオリティ。