「入江さん!」
「ん、どうしたの?綱吉君」
「いや、あのっ、何か寝付けなくて…一緒に寝ても…いい、ですか?」
「えっ!?あ、う、うんっ!ぼ、僕でよければっ」

黙って顔を見合わせたまま、互いの頬だけがみるみる赤くなっていく。
正一ははっとして綱吉を部屋に招き入れると、バタバタと慌てて部屋を片付け始めた。

「つ、綱吉クンは先に寝てていいからね!僕はまだやることが…」

ベットに腰を降ろした綱吉が、じっ、と潤んだ瞳で見上げてくる。
まるで捨てられた子犬のような。
正一は何かを諦めたように、頭をかきながら微笑みを作った。

「ん…でも今日は早めに寝ようかな」
「あ、ありがとうございます!」

綱吉の嬉しそうな微笑が何だか眩しくて、正一はまた一人、頬を染めるのだった。









(全然眠れない…!)

いつもなら布団に入ってすぐに眠気が襲ってくるはずなのに、今日はその気配すらない。
正一はぱっちりと冴えたままの瞳で体を丸めた。
背中に、いつもは感じることのない人の温もりを感じる。

二人で一つのベッドで寝るなんて、やっぱり落ち着かない。
しかも相手は、好意を抱いてる綱吉なのだ。
これは仕方ないな、と正一が無理やりに目を閉じた時だった。

「……ごめんなさい、寝れないですか?入江さん」

囁くような、小さな声。
反射的に寝返りを打った正一は、そのまま硬直した。

(ち、近い…っ!)

綱吉も寝返りを打って、こちらに顔を向けていて。
息遣いさえも感じてしまいそうな至近距離で、またじっと見つめられている。
爆発しそうな程に、心臓が暴れる音がした。

「入江さん」
「綱吉、君…」

互いの視線が、しっかりと合わさって。
どちらともなく、近付いていく唇。
二人はそのまま、震えるそれを重ねていた。

「ん……」
「ん、う…」

温かくて、気持ちいい。
枷が外されたように、二人は何度も何度も触れるだけの口付けを繰り返した。
静かな夜に、ちゅ、ちゅ、と小さく湿った音だけが響き渡る。
その度に、少しずつ熱くなっていく体。

「入江さん…」
「あ、綱吉君っ」

熱に蕩けた目をした綱吉の指が、する、とシャツの中に入り込んでくる。
正一は拒まなかった。
遠慮がちに綱吉の指が正一の胸を撫で、そこで見つけた小さな突起を摘み上げる。

「ん…っ」
「気持ちいい、ですか…?」

すぐに硬くなったそれを、きゅっきゅっと指の腹で擦ると、正一の体が僅かに震えた。
熱い吐息を漏らして綱吉の問いに小さく首を振り、正一も綱吉のシャツの中に手を伸ばしていく。
もう既にぷくりと膨れてしまっている綱吉の突起を、指でコリコリと転がした。

「ふあ…っ!」
「ん…綱吉く…」

互いの突起を、クリクリと夢中で弄りながら。
互いの唇をちゅうちゅうと何度も吸い上げて。
二人の熱は、止まる事を知らずに昂ぶっていくばかり。

「いりえ、さっ…」
「ん…っ」

こんな口付けだけではもう足りなくて。
二人は互いに伸ばした舌先を、ちろちろと重ね合わせた。
暖かな唾液が交じり合って、とろとろと二人の舌を伝って溢れていく。

「おれ、もっ、あつく、て…っ」
「うん、僕もっ…」

こりゅこりゅと互いの突起をより強く摘み上げながら。
二人は何時の間にか激しく腰を擦り合せていた。
ギシ、ギシ、とベッドが軋む音がする。
もう、熱くて我慢出来なかった。

「はぁ…う…きもちいいよおっ…!」
「うん、うんっ…あ…」

シャツから抜いた手を握り合って、舌を重ねて。
二人は熱く昂ぶったものを懸命に擦り合わせた。
硬くなった先端が、布ごしにくにゅくにゅと押し合って互いを導いていく。
ベッドが強く鳴る音も、もう気にならなかった。

「あう、うっ、も、いっちゃうっ!入江さん…っ!」
「う、うん…っ!」

ベッドの上で、二人でこんな風に体を合わせて。
いつも一人でする時とは比べ物にならない、興奮と快感。
二人は舌を絡めたまま深く唇を重ねて、快感の証を吐き出していた。







「…すみません。しかも着替えまで借りちゃって…」
「僕だって同じなんだから、気にしないでいいよ」

また、見つめあって頬が熱くなる。
だけど今度は優しく、正一が綱吉を抱き締めた。

「入江さん…」
「ん?」

綱吉は正一の腕の中で恥ずかしそうに俯く。
そしてゆっくりと、その顔を上げた。

「また今度…してくれますか?」
「……っ」

また今度どころか、今すぐにでもしてしまえそうだったけれど。
正一はより一層頬を赤く染め、コクコクと何度も頷いていた。

ああ、今夜はきっと眠れそうもない。














白蘭さん「なにこの美味しそうなにおい…!」

白蘭さんがアップを始めたようです。

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