ゾロル
□この腕の中に
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ルフィを目で追っていたのはいつからだったか。
ルフィはいつも、あの男を想っていた。
赤髪のシャンクス。
いつも帽子を見つめて、そして帽子を抱きしめる。
あの男を想うルフィの瞳に、ここにはいないシャンクスへ嫉妬した。
こんなにも愛しく思っているのに。
こんなにも傍にいるのに。
なぜ、先に出会ったのがアイツだからって、こんな風に嫉妬しなければならないのか。
アイツにはルフィを抱く腕すらないというのに。
俺はこんなにも傍にいて、抱きしめる腕もあるのに、抱きしめる事が叶わない。
一度だけでいい。
一度だけでいいから、お前をこの腕に抱かせてくれ。
あわよくば、赤髪を忘れてくれ。
俺だけを想ってくれ。
お願いだ、ルフィ。
お前への愛で狂いそうな俺を、どうか受け止めてくれ。