TORM2

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07:失踪時々輝く者


【瓶も見つかった事ですし、ちょっとそこまで奥さんと息子を探しに行って来ます。ちゃんとパニールさんのお手伝いして良い子でいるんですよ?
          by麻龍】

「麻龍が家出したー!?」

「おはようカノンノ」

「おはよう…瓶どうかしたの?」

「いや、麻龍が皆を探しに行くのを昨日聞いてなかったみたいでさー。手紙にも気づいてねぇの」

朝っぱらから絶叫している瓶を横目にあんなは一人ノホホンとココアを飲んでいた
瓶の叫びは無視だ無視
ちょっとやかましいがもう少ししたら苛立ったキールが来て黙らすだろう

「やかましい!!どれだけ僕の邪魔をしたいんだ!?」

「だって麻龍が!麻龍がーっ!!」

「きっとすぐ帰って来るよ」

「カノンノ〜っ!!」

…本当にやかましいな。オイ
泣いてる訳じゃなくただ叫んでいるのが救いようがないと言うか…
とりあえず頭を叩いて静かにさせた

「…痛い」

「まあまあ、喧嘩しないの。瓶さんカノンノと本でも読んで来たらどうかしら?」

なら甲板にでも行こうか、と2人でほのぼのするのは一向に構わない
だがあいつは何故単品だとこっちが疲れるんだろう…
はぁ、と溜め息をつきながらカップを口へ運ぶ
糖分が大事ってよくわかったよ……!
ふとホールを出て行く彼女たちを見た時カノンノが持つ本に見覚えがあった
昨日見せてもらったがあれはちょっとばかり興味がそそらる内容だったそれ

「ディセンダー、ね」

この世界の勇者ディセンダー
光を纏し者
麻龍も気付いたのかどこかナイトにはどこか人と違う光のような何かを持ってる
彼がそうだという訳ではないけれどもし、いるのであれば彼のような人だろう
それはまだ小さくて、蝋燭のような消えそうな光だけど
居心地がいいというか、落ち着くというか
リボーンにいたら絶対アイツ大空だ。なんて考えながら他のファミリーがさっさとアドリビトムに集まればいいのに、なんて
ちょっと、少しだけ、結構他人事みたいに思っていた

(いいですか、私が幻術でナディを錯乱してこの船には近づけません。あなたは…)

「ナイトとジェイドを見ていろ、か…」

どんだけ嫌いなんだよ。ジェイド
どこまでも嫌いですよ。ジェイド

いや、理由はわかっている
事実上ギルドとはいえ無国籍なのだから軍人が何かしら仕掛けてはくるのはわかっているから
最悪の場合でも軍籍の船にはさせてはいけない
そしたら国籍も、故郷すらない私達は追われる身になってしまう可能性が捨てきれないのだから
追われても追い返すだけの力はあるが面倒だから、と
まぁ色々言ってった彼女にとりあえず叫びたい、伝えたい?

「ジェイドの魔の手によってこのギルドはアドリビトムになりましたー」

まぁ自分のせいじゃないし?
多分麻龍には怒られないだろう多分
どこか遠くで麻龍の微妙なくしゃみが聞こえて来た気がした



to be continue…

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