* いろいろ *
□ * 拍手小話集 A *
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【零れた言葉 5題】
1.ああ、懺悔の時は近い
「なぁ、市丸」
ボクの腕を掴む指に、力がこもる。
その手にそっと手のひらを重ね、ボクは優しくキミを見下ろす。
言いたい事は解ってる。
それは何度目かの問い掛けで、その度にボクは同じ答えを返すから。
「…なぁ、市丸」
もう一度キミは繰り返し、大きな瞳を寂しく揺らす。
どう切り出そうか?どう訊ねたら納得できる答えを得られるのか?
そう思案している瞳を向けて、
キミはゆっくりと言葉を繋ぐ。
「お前は何を隠してる?」
あぁ、やっぱり。
予測した通りの質問に、お決まりの答えを返そうか。
「なーんも隠しとらんて」
そして俯くキミの髪を軽く梳いて、額に口付け顎を掬い、
「ボクを信じてくれへんの?」
困ったようにおどけてみせよう。
“さよなら、日番谷さん。”
用意した言葉を胸に、ボクはキミに笑顔を向ける。
―――ああ、懺悔の時は近い。
-オワリ-
空をとぶ5つの方法さんより
【零れた言葉 5題】/1.ああ、懺悔の時は近い
市丸の離反目前に、不安に駆られるヒツの姿が、お題を見てすぐさま浮かびました。
驚くほどにヒネリなし!(爽)
お題はひとまず拍手で^^
次ページもお題です。
うって変わってキューピッドより、激短。(またもヒネリなし…と^^;)
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