* いろいろ *

□ * 拍手小話集 @ *
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* 素直 *





アイツを、傷つけた。



気が付いた時、しまったって思ったんだ。


いつも得体の知れない笑みを浮かべているくせに、その時は、ほんの一瞬だけど表情が崩れたんだ。

すぐ様いつもの顔に戻って「ひどいわぁ」と笑ったけど、俺は気が付いちまった。




…傷ついた、って顔しやがった。



でもそれに俺が気が付いたことを、アイツは解ったんだろう。


だから笑って見せる。



…馬鹿みてぇ


そんなんに騙される程、俺は子供じゃねぇよ。


でも「ごめんなさい」って言えずに「ばーか」と返してしまう俺は、やっぱりアイツに護られているコドモなんだ。






勇気を出せ。

素直になれ。

アイツの優しさに甘えるな。



この温かな日々を、終わらせない為にも。





「…ゴメン」



小さな声になっちまったけど、届いたかな?



目を伏せてたアイツが、こっちを見た。

相変わらず細目で、何処見てるのか解んねぇ。



だけど、いつもの笑みが少し柔らかく思えるのは、俺の気のせいじゃねぇよな?





「うん」




髪を撫でる手が暖かい。



少しの勇気で、お前が優しく笑ってくれるなら。


この優しい時間が続くなら。





出来るだけ素直になろう。


そう思った。






-  オワリ -

名前が出て来ませんので、一応。ギンヒツです^^

2007/08/12 ユキ☆

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