* パロディ *
□市丸先生と日番谷先生 ―いて座の今日の運勢:放課後は騒動の予感。拾い物には要注意―
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コメディ・フェイクですが最初からえろり中です。フェイクですが!・日番谷視点
『あっ…。やめ、も…っ』
『“止めないで、もっとして”?』
ふるふると首を振る小さな彼の内腿を軽くなぞり、ギンは都合良い言葉を口に乗せる。
『ちが…っ、あ、あっ』
『違くないやん。ぎゅぅーってボクんこと締め付けてはるくせに…』
『な、バ…ひああっ』
少年のように小さな身体にじわじわ楔を打ちこめば、苦しさだけではない声が甘く響く。
その艶やかさに腰を震わせ、堪えるようにギンは濡れた唇に舌を這わせた。
無意識に誘う虚ろな翡翠に視線を合わせ、ゆっくりと、刻み付けるように声だけは甘く優しく――。
『イヤや、イヤや言うとるわりに…、やっぱりキミは』
淫乱、やね。
『なァ?日番谷、センセ――?』
ガン!ばさっ。
きーんこーんかーんこーん…。
素晴らしいタイミングで、天井に吊るされたスピーカーからチャイムと下校を告げるアナウンスが流れてくる。
手にしたノートを落とした事すら気がつかず固まっていた日番谷は、数秒後にふらりと机に手をついた。
耳に入る日常に救われて、もう一方の手で額を押さえる。
そこはしっとり濡れていて、だけど背筋が薄ら寒い。これは風邪でも引いたのだろうか…と錯覚してしまいそうなぐらい目の前がグラグラと揺れていた。
…なんだ、今のは。なんだったんだ?
とてつもなく恐ろしいモノを見てしまった気がするけど、もう一度ソレ――五冊まとめてサンキュッパぐらいの薄っぺらいノート――を手に取る気には到底なれない。
正確にはその中身を読む気には…。
コレかデスノートかどっちか選べと言われたら、俺は絶対デュークと仲良くなってやる、とか麻痺した事を考えつつ、日番谷はある意味それ以上のモノが置き去りにされていた席にへたり込んだ。
小さな文字で丁寧に書かれていたのは、いわゆる…男同士の恋愛小説。
一部の女生徒がやたらと盛り上がっていたのは知ってたが、まさか自分がそんな目で…。
…そう。勘違いでなかったら、登場人物はこの学校の教師…つまり自分と、―――顔見知りの“男性”教師。
(やべぇ、泣きそう…)
新任当時は小学生並の外見をからかわれたものだが、実力を示せば子供なんてちょろいもんだ。とか思ってたのに。
幼い頃より『可愛い』だの『ちっちゃい』だの言われ続けた自分だが、まさかまさかまさかそんな、
(ホモ…)
このショック、到底拭えるもんじゃない。
「どないされはったんですか?“日番谷センセ”?」
「!!!」
ポン、と背後から両肩に手が乗せられて、日番谷は跳び上がって振り向いた。
その大きすぎるリアクションに、声を掛けた方もまた糸のような細目…はそのままだったが、上半身を仰け反らせて驚いたのだった。