* 短編小説 *

□ * 正しい神機の使い方 *
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「ん?」


懐の中で、何かがブルブルと震えだした。
ぺろん、と襟を掴んで中を覗けば、入れっぱなしで忘れてた神機。
そういやさっき、充電器に戻すのが面倒で懐の中に入れたんだっけ。

むんずと取り出しぱかりと開き……日番谷は画面の名前を数秒眺め、震える神機の蓋を閉めた。


「あら?出なくて良いんですか?」

「ん?ああ、別にいい」


顔を上げた松本に、早口で言って席を立つ。まだ震え続けるそれをじっと見下ろし、着信が止まった途端充電器にセットした。
そのまま机に戻ると、涼しい顔で筆を取る。

それから数枚サインして、さてそろそろかな、などと顔を上げたちょうどその時。
バターン!と激しい音を立ててドアが開いた。


「日番谷さん!おる!?」

「霊圧探れば解るだろ。つーか、目の前にいるのは誰に見える?」

「ボクの可愛え日番谷さん」

「そりゃ永遠に留守かもな」

「そんなぁ!」


会った早々展開される、バカップルな会話を間近で聞かされ、松本は痛む頭に手を当てた。
要するにさっきの着信はギンからで、それを無視すれば慌てたギンは取るもの取らずこう来るわけで。


「………………ハァ」


さすが隊長。一枚も二枚も上手だわ。
いくつも年下の少年に振り回される幼馴染に溜息ひとつ。ちらりと二人を盗み見た。


「………ま、いっか」


元より幸せそうなギンはともかく。

ねぇ、隊長?
面倒そうにあしらってるけど、口許が緩んでますよ?





-オワリ-




ダイヤで電話ネタを書いたのでギンヒツも!
と思ったんだけど、なんかウチの日番谷隊長っぽくなくなったような…;

最後までお読み頂きありがとうございましたv


2009/2/8 ユキ☆

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